公正証書遺言 作成サポート
公正証書遺言の作成手順を分かりやすくガイドします。安心して大切な意思を遺しましょう。
公正証書遺言とは?
公正証書遺言は、公証人が法律に基づいて作成する遺言書です。 自筆証書遺言と比べて形式不備の心配がなく、紛失や偽造のリスクが低いという大きなメリットがあります。 相続時のトラブルを未然に防ぎ、遺言者の意思を確実に実現するために最も確実な方法とされています。
主なメリット
- 高い信頼性: 公証人が関与するため、法律的な不備がなく、遺言の有効性が争われにくいです。
- 保管の安全性: 公証役場で原本が保管されるため、紛失や偽造の心配がありません。
- 検認不要: 家庭裁判所の検認手続きが不要なため、相続開始後の手続きがスムーズです。
必要情報の収集
公正証書遺言を作成するにあたり、以下の情報や書類が必要となります。事前に準備を進めましょう。
準備するもの
- 遺言者の戸籍謄本: 遺言者ご本人の身分証明。
- 相続人全員の戸籍謄本: 相続人の確定のため。
- 不動産に関する資料: 不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書、公図・測量図など。
- 預貯金、有価証券に関する資料: 銀行の残高証明書、証券会社の口座情報など。
- 証人2名の情報: 氏名、住所、生年月日、職業。
- 遺言の内容に関するメモ: 誰に何を遺すか具体的にまとめたもの。
遺言内容の検討
遺言書に何を記載するかは、遺言者の意思を明確にする上で非常に重要です。 以下の点を考慮して、具体的な内容を検討しましょう。
- 財産の特定: 不動産、預貯金、有価証券など、どの財産を誰に遺すのかを明確にします。
- 相続人の指定: 誰にどの割合で相続させるのかを具体的に指定します。
- 遺言執行者の指定: 遺言の内容を実現する人(遺言執行者)を指定することができます。相続手続きをスムーズに進めるために重要です。
- 付言事項: 遺言書に法的な効力はありませんが、家族への感謝の気持ちや遺言に至った経緯などを自由に記載できます。
内容が複雑な場合や、特定の相続人への配慮が必要な場合は、弁護士や司法書士などの専門家への相談を検討しましょう。
証人の選定
公正証書遺言の作成には、2名以上の証人が必要です。 証人は、遺言書の作成が遺言者の意思に基づき、適正に行われたことを証明する役割を担います。
証人になれない人
- 未成年者
- 推定相続人(遺言者から財産を受け取る人)およびその配偶者、直系血族
- 受遺者(遺言により財産を受け取る人)およびその配偶者、直系血族
- 公証役場の職員
適切な証人を見つけるのが難しい場合は、公証役場から紹介してもらったり、専門家(弁護士や司法書士など)に依頼したりすることも可能です。
公証役場との連絡・予約
必要書類の準備と遺言内容の検討が済んだら、公証役場に連絡をして予約を取りましょう。 事前に電話で相談し、必要書類や手続きの流れ、費用について確認することをおすすめします。
連絡時のポイント
- 希望する遺言内容の概要を伝える。
- 作成希望日時を伝える。
- 必要な書類について最終確認する。
- 費用の見積もりを確認する。
近くの公証役場は、日本公証人連合会のウェブサイトで検索できます。
作成当日
予約した日時に、遺言者と証人2名で公証役場へ行きます。 公証人が遺言者の口述を筆記し、それを遺言者と証人が確認して署名・押印を行います。
当日の流れ
- 本人確認: 遺言者と証人の身分確認を行います。
- 遺言の口述: 遺言者が公証人に対して、遺言内容を口頭で伝えます。
- 筆記と読み聞かせ: 公証人が遺言者の口述に基づいて公正証書を作成し、遺言者と証人に読み聞かせ、内容を確認します。
- 署名・押印: 遺言者、証人、公証人がそれぞれ署名し、押印します。
- 費用支払い: 所定の手数料を支払います。
原本は公証役場で厳重に保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。
費用について
公正証書遺言の作成費用は、大きく分けて「公証役場に支払う実費」と「専門家に依頼する場合の報酬」があります。
- 公証役場への実費: 遺産総額や相続人の数、出張の有無などによって変動しますが、概ね10万円~15万円前後です。
- 専門家への報酬: 弁護士、司法書士、行政書士などに依頼する場合、別途10万円~25万円程度の報酬がかかることが一般的です。銀行や信託銀行の遺言信託を利用する場合は、さらに高額になります。
費用についてより詳細な情報は、以下のシミュレーターをご活用ください。 公正証書遺言費用をシミュレーションしてみる