【放置すると損!】住宅ローン完済後の抵当権抹消登記を徹底解説~手続きの流れと注意点~


住宅ローンの完済、本当におめでとうございます!

長年の返済を終え、これで晴れてマイホームが完全にあなたのものになった、と感慨深い思いをされているのではないでしょうか。

しかし、ちょっと待ってください!

住宅ローンを完済しただけでは、不動産に設定されている抵当権が自動的に消えるわけではありません。

この抵当権を抹消するための抵当権抹消登記という手続きが必要なのです。

「別にそのまま放置しても問題ないのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、実は放置しておくと様々なデメリットが生じる可能性があります。

そこで今回は、住宅ローン完済後に抵当権抹消登記を放置するとどうなるのか、その理由と手続きの流れについて詳しく解説していきます。

抵当権とは?なぜ抹消登記が必要なのか

まず、抵当権とは、金融機関等が、万が一返済が滞った場合に備えて、その不動産を担保とする権利のことです。

この抵当権は、法務局に登記(抵当権設定登記)されています。

住宅ローンを完済すると、金融機関は担保としての権利を失うため、抵当権を抹消する手続きを行う必要があります。

しかし、この手続きは自動的には行われず、ご自身で申請する必要があるのです。

抵当権抹消登記を放置すると損する理由

では、抵当権抹消登記を放置すると、具体的にどのような不都合が生じるのでしょうか?

主な理由を以下に挙げます。

  1. 不動産の売却がスムーズに進まない
    • 不動産を売却する際、買主は抵当権が付いたままの不動産を購入することを嫌がります。そのため、抵当権が残っていると、売却活動が難航したり、売却価格が下がる可能性があります。最悪の場合、売買契約が白紙に戻ってしまうことも考えられます。
  2. 新たな融資を受けられない可能性がある
    • 将来的に、その不動産を担保に新たな融資(例えばリフォームローンなど)を受けようとする場合、抵当権が残っていると審査が通りにくくなることがあります。
  3. 相続時に手続きが煩雑になる
    • もし抵当権が残ったまま相続が発生した場合、相続人は抵当権の抹消登記を行う必要があります。完済時の書類が見当たらなくなっていたり、金融機関の担当者が変わっていたりすると、手続きに手間と時間がかかることがあります。
  4. 精神的な不安が残る
    • 法的には問題がないとしても、抵当権が残っている状態は、心理的に不安を感じる方もいるでしょう。「いつか手続きをしなければ」という気持ちが常に頭の片隅にあるかもしれません。

このように、抵当権抹消登記を放置することは、将来的に様々なリスクや不利益をもたらす可能性があるのです。

抵当権抹消登記の手続きの流れ

抵当権抹消登記は、ご自身で行うことも、司法書士に依頼することも可能です。

ここでは、一般的な手続きの流れをご紹介します。

1. 金融機関からの書類の受け取り

住宅ローンを完済すると、金融機関から以下の書類が送られてきます。

これらの書類は、抵当権抹消登記を行う際に必要となりますので、大切に保管してください。

  • 抵当権解除証書または弁済証書: 抵当権が消滅したことを証明する書類
  • 登記原因証明情報: 抵当権抹消の理由(完済)を証明する書類
  • 抵当権設定登記済証または登記識別情報: 抵当権設定時に発行された権利証
  • 金融機関の代表者事項証明書または資格証明書等: 金融機関の代表者の資格を証明する書類(発行から3ヶ月以内のものが必要な場合があります)

2. 必要書類の準備

金融機関から受け取った書類に加えて、ご自身で準備する必要がある書類は以下の通りです。

  • ご自身の本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカードなど
  • ご自身の印鑑証明書: 発行から3ヶ月以内のもの(原則任意)
  • 委任状: 司法書士に依頼する場合に必要

3. 登記申請書の作成

法務局のウェブサイトから申請書の様式をダウンロードするか、法務局の窓口で入手します。

記入例を参考に、必要事項を正確に記入します。

4. 法務局への申請

作成した登記申請書と必要書類を管轄の法務局に提出します。

提出方法は、窓口に持参する方法と、郵送する方法があります。

オンライン申請も可能ですが、事前に準備が必要です。

5. 登記完了

不備がなければ、通常3週間~4週間程度で抵当権抹消登記が完了します。

登記完了後、法務局から登記完了証と、金融機関から預かった抵当権設定登記済証などが返却されます。(原本還付手続きをした場合)

これらの書類も大切に保管してください。

司法書士への依頼も検討しましょう

抵当権抹消登記の手続きは、ご自身で行うことも可能ですが、書類の準備や申請書の作成など、ある程度の知識と手間が必要です。

もし手続きに不安がある場合や、忙しくて時間がない場合は、司法書士に依頼することを検討しましょう。

司法書士に依頼すれば、煩雑な手続きを全て代行してくれるため、スムーズに抵当権を抹消することができます。

まとめ

住宅ローンを完済したら、忘れずに抵当権抹消登記を行いましょう。

放置しておくと、将来的に不動産の売却や新たな融資の際に不利益が生じる可能性があります。

手続きはご自身で行うことも可能ですが、不安な場合は専門家である司法書士に相談することをおすすめします。

このコラムが、皆様の抵当権抹消登記の手続きのお役に立てれば幸いです。